相続の流れはどう進む?基礎知識から完了手続きまで整理して解説の画像

相続の流れはどう進む?基礎知識から完了手続きまで整理して解説

不動産 相続

樋浦  竜介

筆者 樋浦  竜介

不動産キャリア15年

気軽に相談できる不動産パートナーとして、お客様一人ひとりの想いに寄り添い、分かりやすく誠実なご提案を大切にしています。
不動産に関することなら、どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。

身近な家族が亡くなったとき、多くの方が最初につまずくのが相続の流れです。
何から手を付ければよいのか、どこまで自分でできて、いつまでに何を済ませるべきかなど、分からないことだらけになりがちです。
しかし、相続は全体の手順と基本的な考え方を押さえておけば、落ち着いて進めることができます。
この記事では、相続について基礎から知りたい方に向けて、相続開始のタイミングから相続税申告や名義変更まで、全体像を段階的に解説します。
まずは全体の流れを理解し、そのうえでご自身の状況に当てはめて考えられるよう、一緒に整理していきましょう。
初めて相続と向き合う方でも読み進めやすい内容となっていますので、落ち着いて確認してみてください。

相続の流れを理解するための基本知識

相続とは、人が死亡した際に、その人の財産上の権利や義務を包括的に承継することをいいます。
相続が始まる時期は、被相続人となる方が死亡した時点とされており、死亡届の提出や各種手続きもこれを前提に進みます。
被相続人は財産を残して亡くなった人を指し、相続人はその財産や債務を受け継ぐ人を指します。
この用語の整理が、相続の全体像を理解するうえでの第一歩となります。

次に、誰が相続人になるのかという点が重要です。
民法上の法定相続人は、配偶者と血族が中心であり、配偶者は常に相続人となります。
血族については、第1順位が子とその代襲者、第2順位が父母などの直系尊属、第3順位が兄弟姉妹などと定められています。
また、法定相続分の基本として、例えば配偶者と子が相続人となる場合は配偶者が2分の1、子の全体で2分の1とする割合が示されています。

あわせて、相続の対象となる財産の範囲も押さえておく必要があります。
相続財産には、預貯金や不動産、有価証券などのプラスの財産だけでなく、借入金や未払いの税金などマイナスの財産も含まれます。
一方で、本人の一身に専属する権利など、相続の対象とならないものもあります。
このように、相続では財産と債務を合わせた全体像を把握することが、その後の遺産分割や相続税の検討に直結します。

用語 基本的な意味 相続の流れでの役割
被相続人 死亡時点で財産を有する人 相続開始の起点となる立場
相続人 財産や債務を承継する人 遺産分割や申告の主体
法定相続分 民法で定める相続割合 遺産分割や相続税計算の基礎

相続発生から3か月までの手続きの流れ

相続が発生すると、まず死亡の事実を公的に届け出ることが必要です。
死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内に市区町村へ提出し、その後の火葬許可や埋葬許可の手続きにつながります。
並行して、相続人を確定するために、被相続人の出生から死亡までの一連の戸籍謄本や除籍謄本を取り寄せていきます。
この戸籍収集により、相続人の範囲を正確に把握し、その後の遺産分割や相続税申告の基礎資料とすることができます。

次に、被相続人が遺言書を残しているかどうかを確認することが重要です。
自宅の金庫や書類棚のほか、公証役場で作成された公正証書遺言の有無を調べ、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用している可能性も確認します。
自宅で保管されていた自筆証書遺言が見つかった場合は、勝手に開封せず、家庭裁判所で検認の手続きを行う必要があります。
一方、法務局に保管されている自筆証書遺言や公正証書遺言については、家庭裁判所での検認は不要とされており、相続手続きを比較的円滑に進めやすくなります。

相続開始後は、相続財産の内容を確認しつつ、相続を受けるかどうかを3か月以内に判断することが求められます。
民法上、相続人は自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、単純承認、限定承認、相続放棄のいずれかを選択することとされています。
負債が多い可能性がある場合には、財産調査を進めながら、家庭裁判所に相続放棄や限定承認の申述を行うかどうかを早期に検討することが大切です。
なお、この3か月の期間内に判断が難しい場合には、家庭裁判所に熟慮期間の伸長を申し立てる制度も用意されています。

時期 主な手続き ポイント
相続発生直後 死亡届提出・火葬許可取得 7日以内の届け出が必要
発生後早期 戸籍収集による相続人調査 出生から死亡までを一括取得
発生から3か月以内 遺言確認・放棄等の申述 3か月ルールと期間伸長の検討

相続財産の把握から遺産分割までの流れ

相続財産の把握は、遺産分割や相続税申告の前提となる重要な作業です。
まず、預貯金通帳や証書、不動産に関する書類、保険関係の書類、借入金の契約書など、財産と負債に関する資料を幅広く集めます。
そのうえで、各資料をもとに財産ごとの名義や残高、債務の残高を確認し、一覧に整理しておくと、後の手続きが円滑になります。
相続人同士で情報を共有しながら、漏れがないか丁寧に確認していくことが大切です。

財産と債務を整理する際には、預貯金や不動産、有価証券などの「プラスの財産」と、借入金や未払いの税金などの「マイナスの財産」を区別して一覧表にまとめます。
一覧表には、財産や債務の種類、名義人、おおよその金額、保管場所や取引先などを記載しておくと、実務上の見通しが立てやすくなります。
また、相続開始後に判明する財産や債務もあるため、一定期間は郵便物や明細書に注意を払い、新たな情報が出てきたら随時一覧表を更新します。
こうした整理を行うことで、相続放棄や限定承認を検討する際の判断材料にもなります。

相続財産の洗い出しが一段落したら、次は遺産分割の話し合いに向けた準備を行います。
遺言書がある場合には、その内容に沿って分け方を検討しますが、遺言書に記載のない財産や、相続人全員の合意により内容を変更する場合には、改めて遺産分割協議を行います。
遺言書がない場合には、法定相続分を参考にしながら、各相続人がどの財産を取得するか、具体的な分け方を話し合います。
話し合いがまとまったときは、将来の紛争を防ぐためにも、合意内容を遺産分割協議書として書面にまとめ、相続人全員が署名押印しておくことが重要です。

段階 主な作業 ポイント
財産と債務の洗い出し 通帳や契約書の確認 漏れのない一覧作成
一覧表の整理 種類別に金額整理 名義人や保管場所明記
遺産分割の準備 遺言書内容の確認 協議事項の明確化

相続税申告・名義変更など相続完了までの流れ

相続の終盤では、相続税の申告と納付、それから不動産や預貯金の名義変更を期限内に済ませることが重要になります。
まず押さえたいのは、相続税の申告期限が「被相続人が死亡したことを知った日の翌日」から起算して10か月以内と定められている点です。
相続税の課税対象となるかどうかは、基礎控除額などを考慮したうえで判定し、必要があれば早めに専門家への相談も検討すると安心です。
加えて、期限に遅れた場合は加算税や延滞税が生じる可能性があるため、全体のスケジュールを逆算して準備を進めることが大切です。

相続税の申告書は、被相続人の最後の住所地を所轄する税務署に提出し、納付も原則として金銭で行います。
納付方法には、金融機関や税務署の窓口での納付のほか、振替納税やインターネットを利用した納付など複数の方法が用意されています。
一度に金銭で納めることが難しい場合には、一定の要件を満たせば延納が認められ、相続税額のうち不動産などの割合に応じて最長20年程度の分割払いが可能とされています。
さらに、延納によっても金銭での納付が困難な事情があるときには、要件を満たす相続財産をもって納付する物納の制度が用意されており、いずれも申告期限までに申請書等を提出して許可を受ける必要があります。

相続税の申告と並行して、不動産の相続登記や預貯金の名義変更など、各種の名義変更手続も進める必要があります。
不動産については、令和6年4月から相続登記の申請が義務化されており、相続により取得したことを知った日から3年以内に、法務局への申請を行うことが求められます。
登記申請では、被相続人と相続人の戸籍関係を示す書類や、遺産分割協議書、固定資産評価証明書などを整えることが一般的です。
また、預貯金の名義変更や払戻しに際しても、金融機関から遺産分割協議書や戸籍一式の提出を求められることが多いため、相続人全員で協力しながら、相続税申告と実務手続を計画的に進めることが相続完了への近道になります。

段階 主な手続き内容 意識したい期限
相続税の申告 申告書作成と税務署提出 相続開始後10か月以内
相続税の納付 金銭納付や延納・物納検討 申告期限までに完了
名義変更関係 相続登記と預貯金名義変更 相続登記は3年以内

まとめ

相続の流れは、死亡届などの公的手続きから始まり、相続人の確定、財産と債務の整理、遺産分割協議、相続税申告や名義変更まで段階的に進みます。
しかし、戸籍収集や財産調査、家庭裁判所での手続きなど、専門的で時間がかかる場面も多く、忙しい方や初めての方には大きな負担になりがちです。
当社では、不動産を含む相続手続きの全体像をわかりやすくご説明し、お客様の状況に合わせた進め方をご提案いたします。
「自分の場合はどうすればいいか」を知りたい方は、まずはお気軽にご相談ください。

お問い合わせはこちら

”不動産 相続”おすすめ記事

  • 相続税がかからないケースとは?具体的な例と判断のポイントを解説の画像

    相続税がかからないケースとは?具体的な例と判断のポイントを解説

    不動産 相続

  • 相続人がいない場合はどうなる?手続きの流れと不動産の注意点を解説の画像

    相続人がいない場合はどうなる?手続きの流れと不動産の注意点を解説

    不動産 相続

  • 遺産分割協議の流れはどう進め方が正解?相続トラブルを防ぐ基本手順を解説の画像

    遺産分割協議の流れはどう進め方が正解?相続トラブルを防ぐ基本手順を解説

    不動産 相続

  • 新潟市で土地を相続したら?売るタイミングと判断のポイントを解説の画像

    新潟市で土地を相続したら?売るタイミングと判断のポイントを解説

    不動産 相続

  • 相続放棄の手続きは難しい?流れをわかりやすく解説の画像

    相続放棄の手続きは難しい?流れをわかりやすく解説

    不動産 相続

  • 相続税の基礎控除はどう計算する?シミュレーションでかかるか簡単確認の画像

    相続税の基礎控除はどう計算する?シミュレーションでかかるか簡単確認

    不動産 相続

もっと見る